2014年07月

自画自賛症候群

前回のエントリーでは、最後に「自画自賛」というもんについて触れましたけど

偶然にも、韓国の朝鮮日報日本語版にこんな記事が出てましたわ↓

日本社会に広まる「自画自賛症候群」、背景に韓中の成長
日本は今「『自画自賛』症候群」
放送・出版界、日本の優越性を強調…天皇制・靖国神社も賞賛
「原発事故や周辺国の勢力拡大に余裕のなさ露呈」
(朝鮮日報日本語版:2014/07/31)

日本人はたとえ表面上だけであっても、謙虚さを失わないことを「最高の美徳」としてきた。この謙虚さは経済力と共に、世界で日本が尊敬される重要な要素でもあった。ところが、その日本の美徳が急速に失われようとしている。世界で日本は最も優れていて、最も尊敬される国だと触れ回る「『自画自賛』症候群」が日本社会に広がっているためだ。

「嫌韓・嫌中」書籍を相次いで出してきた日本の出版各社は最近「日本はなぜ美しいのか」「日本は世界から尊敬されている」「世界が絶賛する日本人」「日本人に生まれて良かった」といった類いの本を競い合うようにして出している。日本の優越性を強調する内容の中には、とんでもないものも多い。イギリス在住の日本人が書いた『日本はイギリスより50年進んでいる』という本は「イギリスに住んでみたら、日本は天国だった」という内容になっている。著者は「イギリス人は肥満だが、日本人はスリムだ」「ロンドンには慢性の交通渋滞があるが、東京はそうではない」といったことを日本が優れている根拠として挙げている。

日本の優越性を証明するためなら外国人も動員する。人口3万人という小国サンマリノ共和国の駐日大使であるマンリオ・カデロ氏が書いた『だから日本は世界から尊敬される』は、天皇制や靖国神社に対し賛辞を並べ立てている。経済専門家らもこれに加わり、『そして日本経済が世界経済の希望になる』『負けない日本企業 アジアで見つけた復活の鍵』『もしも日本が消えたなら』といった本を出版している。

NHK BSは毎週『cool japan発掘! かっこいいニッポン』という番組で、外国人による「日本賞賛リレー」を放送している。日本テレビ、テレビ朝日はバラエティー番組にも外国人を多数出演させ、日本が住みやすい国であるということを強調している。

こうした動きに火を付けたのは政界だ。安倍晋三首相は「美しい国、日本」「この国に生まれたことを誇りにできるようにしたい」という言葉を口癖のように言い続けている。

東京新聞は30日「近ごろ日本を覆う『自画自賛』症候群は何の表れか」という記事で「近ごろ、本屋に立ち寄ると、気恥ずかしくなる。店頭に『日本人はこんなにすごい!』という『自画自賛本』が平積みにされているからだ。この国から『奥ゆかしい』とか『謙虚』といった感覚が急速に消えていっているように感じる。だが、そうした違和感を口にすると、どこからか『自虐だ!』という悪罵が飛んできそうだ」と書いた。新潟青陵大学大学院の碓井真史教授は「日本が圧倒的な経済力と技術力を誇っていた時代には謙虚さがあったが、大震災や原発事故、韓国・中国の台頭で余裕がなくなった」と分析した。恵泉女学園大学の高橋清貴特任准教授は「日本の自画自賛は周辺国に対する隠れた優越意識をあらわにしたもの」と話している。

ぼくも随分前から感じてましたけど、「嫌韓」や「反中」本の氾濫とともに、

最近、日本では、「日本はこんなにすばらしい」…という「自画自賛」が大流行ですわね

(これは何も出版物だけの話ではなくて、TVでもそんな番組が多いですよね)


で、ぼくは前回のエントリーでも書いたように、自画自賛ほど愚かしい行為はない…と思ってまして

こういう「自画自賛」現象を前から、「なんか、気味悪いなぁ…」と感じてたんです


そんでも、世の中、何事にも原因っちゅうもんがある…はずなので

昨今、巷に流行る「自画自賛」は、いったんどこから来てるんか…と考えると

それは、「自画自賛」とは逆の「自信のなさ」の露呈ではないのかな…と、ぼくは感じるんです

(この記事にもそういう分析がしてありますよね)


自画自賛って言うたら、自分に自信があることの現れであるはずやのに、

逆に自信がなくなればなくなるほど、自画自賛傾向が強まってる…というのは

一見不思議な話ではあるんですけど、この両者は表裏一体…というか、実は補充関係になってて

「自信の喪失」という心情的マイナスを「自画自賛」で埋め合わせしようとする、

心理的「バランス感覚」やと思うんですね

(こういう補充関係は、前に書いた「劣等感」と「優越感」の関係にも似てますわ)


しかしながら、そういう前提でこの先のことを考えてみると、

中国との経済規模の差はどんどんひらく一方であるし、韓国との差は縮んでいく一方であるし…

ということで、ますます、心情的マイナスが大きくなっていき、

その大きくなった心情的マイナスを埋めるために、今よりもっと「自画自賛」傾向も強くなる…と

こういう、救いのない話になってしまうんですよね

(それに、同時並行で「嫌韓」「反中」傾向も強まっていくと予想されるし…)


そんでもね、国の経済的な規模なんてもんは、大きな世界史の流れから見たら

それこそ抜いたり抜かれたり…という話なので、そんなことにイチイチ過敏に反応することもないと思うし

「中国に抜かれる」、「韓国との差が縮まる」ことにだけ敏感に反応する…というのも

これまた、「中国や韓国は日本の下で当たり前」…という年配者の勝手な思い込みであるので

そういう勝手な思い込みを消すこと以外に、こういう悪循環を断ち切る道はないんやないでしょうか


これはぼくも含めての話なんですけど、今まではなんか、(何の根拠もなく経済的指標だけで)

「日本がアジアで一番」…なんていう「自明」がこの国にはあったように思うんですけど

こういう根拠のない「日本がアジアで一番」意識は、明治期から始まった「脱亜入欧」から始まって、

ぼくらの意識の奥底にしっかり沈殿してしまってるように思うんです

(→要するに「アジアでは欧米に一番近い国」だと勝手に思い込んで、他のアジア諸国を見下す意識です)


そんでも、冷静に考えてみれば

現在のガザ大虐殺に対する欧米政府の冷ややかな態度や

世界に武器を売りまくって(紛争の種まきをしてる)欧米政府を見てもわかるように

そういう「欧米に近い」ことが「高級な国」の証であるわけがない…のでありまして

「欧米」=「進んでる国」というイメージそのものを、

もっと疑ってかかることも必要やないのかな…なんてことを、ぼくは最近よく考えてますねん。。。




もちろん、欧米に見習うべきところは見習うことが必要ではありますが、それは欧米に限らず
すべての国に対して言えることですので、やっぱり「欧米」ということだけで相手を「崇める」ような、
機械的思考はもうそろそろ捨てないといけない時期に来てるように思います…
(→それを捨てられると、意外に、アジア人に対する差別意識も解消していくんじゃないでしょうか)

虐殺を自衛と主張できる人たち

今日の朝日新聞では、高橋源一郎氏が「論壇時評」の冒頭で

せっかく、ガザのこと(とウクライナのこと)に触れてたのに、

続く文章はなぜか、ウクライナのことだけに完全移行してしまって、

やっぱり、(パレスチナ側から見た)ガザのことは朝日新聞には書けないのかな…なんてことを感じましたわ


同日の国際面には、『国連系学校また被弾』という見出しがあって

そこに避難していたパレスチナ人が少なくとも16人死亡した…という記事も出てました

見出しには「被弾」という受け身の表現が使われ、かつ、その被弾が誰の仕業なのか…が

書いてませんでしたけど、これは、

「イスラエル軍が事前に退避を呼びかけたことを受けて、パレスチナ市民が安全だと思われた国連系学校
 に避難していたら、そこへイスラエル軍が戦車で砲撃してきた」…ということやったんです

(ちなみに、国連関係者は、イスラエル軍にその場所が市民の避難場所になってることを
 17回も通告したって言うてます)


こういう「結果」を見せられると、イスラエルの退避勧告なんてものは、

「パレスチナ人を一カ所にできるだけ集めて『効率よく殺す』ためのもの」…であるとさえ感じます


また、イスラエルは現在、「ガザ市民の約半数に対して」自宅から離れるように「警告」してるそうですが、

東京23区の6割の面積しかないところに170万人の市民が暮らしているガザにおいて、

その半数の市民に危害が及ぶ可能性のある攻撃をするから避難しろ…という「警告」を発するイスラエルは

人道的なのか残虐なのか…と言うたら、そら、答えは明らかやと思います


そうそう、書き忘れてましたが、『国連系学校また被弾』という見出しにある、「また」という言葉は

今回のイスラエル軍ガザ侵攻(ガザ虐殺)で、

市民の避難場所になってる国連系学校が「また」攻撃を受けた…という意味で使ってるんですけど

実はイスラエルによる前回のガザ大虐殺(2008-2009)においても

イスラエル軍はやっぱり、ガザ市民が避難していた国連系学校を攻撃して

多数のガザ市民を「虐殺」してまして、そういう意味においても、「また」…ということです


このように、イスラエル軍は、はなから、ハマス戦闘員とガザ市民とを区別する気なんてさらさらないし

女性や子どもにはできるだけ危害が及ばないように…なんてこともまったく考えてないので

彼らがあの人口密集地域であるガザに空と陸と海から砲撃や爆撃を加えているのは

明らかに「無差別の虐殺」を意図したもんだと、ぼくは考えます


しかし、彼らはそれを「自衛」だと言い張ってる

そして、彼らの後ろ盾であるアメリカも、それは「自衛行為」だと認めてあげてる…

(→それが、ぼくらの住んでる一方の世界の「世界観」だそうです)


高橋源一郎さんには、是非、これくらいのコトは新聞に書いてもらいたかったとぼくは思うんですけど

朝日新聞もまた、ぼくらの住んでる一方の世界の住人なので、そんなことは許さなかったでしょうし

高橋さんもそこは大人…ということで、朝日の立場を察してあげたんでしょう

(厳しい言い方をすれば、高橋さんも自分の立場を察したのかも知れません…)


ともかく、イスラエルが空爆するのはよくて、ハマスがイスラエルにロケット弾を飛ばすと

途端に「イスラエルの自衛権」なるもんが出てきて、「何をやろうが全部自衛」…

と、ぼくらの住んでる一方の世界では、そういうルールになってるそうです


ぼくらは、ともすれば、ぼくらの住んでる一方の世界のことを

「先進国」であるとか、「自由と民主主義を共通の価値にしている国」…なんて自画自賛をするんですけど

この世で自画自賛ほど、愚かな行為はない…と、ぼくは断言しておきましょう。。。

もう一方の世界


イスラエルの武装勢力「リクード」は、パレスチナのガザを総攻撃し、無差別に市民を殺傷している…


イスラエルの武装勢力「リクード」は、パレスチナの女性と子どもをできるだけ殺すことで、
パレスチナ人の「緩やかな抹殺」を計画しているようだ…


イスラエルのリクードをはじめとする「武装勢力」は、自らの存在理由をつくりだすために、パレスチナとの「衝突」を自作自演してパレスチナの抵抗を誘い出し、それを口実に、定期的な攻撃を行うことでイスラエル国内の支持を得ようとしている…

…なんていう報道や解説をしてくれるトコは、ほとんどありませんね


ぼくらは世界の一方に属していて、その一方から世界を見ることに慣れてしまって

「公平」とか「公正」、「中立」の意味を、これまた、世界の一方から考えることに

疑問を持たなくなってしまったようです


もちろん、ぼくかて、世界のもう一方の世界に住んだことはないので

どこまでいっても、その、「もう一方の世界」のことを頭の中で想像するだけなんですけど

少なくとも、世界にはぼくらが住む一方の世界があると同時に、もう一方の世界もある…ということは

忘れないでいたいと思ってます


そして、ぼくはまた、世界の一方であると思ってたこの国のなかでさえ、

「内部的なもう一方の世界」がある…ということも、忘れないでいたいと思います

これが私の生きる道…野口健の場合

人がその人生をどのように生きるか…なんてことは、そりゃ、その人の自由な選択にかかってるわけで

そんなのまったくの自由だ…ということに一応はなってますねん

でまぁ、そういうことになってるので、ある人がどんな生き方を選択しようと

それはその人の勝手で、他人がとやかく言うもんやない…ということも十分わかってますねん


そやから、人がどんな馬鹿げた人生を選択しようと、それもまた人生…と

他人事にように言えたりするんやけど、もし、ある人の選んだ人生が他者を害するもんやったなら

「どんな生き方をしようと、そら、アンタの自由や」…とは、到底言えないわけですわ


…ということで、今回は(ぼくの目から見て)

愚かな人生を選択して他者を害する生き方をしてると思われる人を、一人紹介してみたいと思います


まずは、その方のtweetを紹介しますね…

この人、有名人のようで有名人でない、登山家のようで登山家でない、はたまた

タレントのようでタレントでもない…と、実はぼくにもよくわからん人なので、一応簡単に説明しときますと

「ゴミ拾い登山」で有名になった(かも知れない)人なんです

(この人のことを知らんかった人は、特に調べる必要もない人なので、気にせんといて下さい)


でまぁ、チョモランマとか、富士山とか、そういう有名な山が、ゴミで一杯になるのは見てられない…と

何度か、「ゴミ拾い登山」をしてはる「奇特な人」…ということになってるこの人が

突然、こういうtweetをしたんです


このtweetは、自分が韓国を訪問したときに「日本人差別」を受けた…というエピソードとともに

なぜか、最近都内で開かれた韓国の日本人客誘致イベントにリンクをはってまして

この二つをくっつけたのは、何か意味があるのかな…と、思ってたら

すかさず、こんなtweetを続けたんです↓
このtweetでは、新たに、韓国のサウナで受けたという「日本人差別」を挙げて、

自分が受けたような「日本人差別」が韓国内でみられるために

韓国の日本人観光客が減少しているのだ…と、そない言うてはりますね


で、最初に挙げたtweetに出てきた、「都内で開かれた韓国の日本人客誘致イベント」や

「韓国の日本人観光客の減少」というのは、いずれも、最近のことなので

この二つのtweetで訴えてはる、自分が受けた韓国での「日本人差別」も

つい最近のこと…と、受け止める人が多いんやないかと思います


ところが、この二つのtweetがネット上で話題になると、この人は…
…と、何やら弁解してるようでもあるし、念押ししてるようでもある、よくわからんtweetを書いたんです

(→そやかて、やっぱり韓国での日本人観光客の減少の原因に一つに、
     韓国の「日本人嫌悪」がある…と、重ねて強調してますからね)


ところが、このtweetを受けて、ホンマにそんなことあったんか…という疑問が寄せられ↓
あ、国会周辺での、特定秘密保護法への抗議行動のあとが、ゴミだらけだってデマを流した人だ。 →野口健氏が韓国で体験した「日本人差別」ツイートの信ぴょう性を疑う声が相次ぐ #ldnews http://news.livedoor.com/article/detail/9050681/ … …

これはどうもマズイ…と思ったのかどうか、知らないけど

この人の方から、「J-CASTニュース」という、「わかりやすいメディア」に

自分のtweetについて「説明」したいという申し出があったそうです↓
韓国での「日本人差別」 「あの時そうなら、もっと酷いのでは」 アルピニストの野口健さんに聞く:J-CASTニュース   この人、自国民の富士山でのゴミ廃棄を棚に上げ、中国人の観光客が富士山をゴミ山にすると言った人だわ。
この人の「説明」の概略は

・タクシーでの「日本人差別」は、2001~03年ごろのこと(→なんで2年間も幅があるのかわからんけど…)

・サウナでの「日本人差別」は、1998か99年ごろ

・でも、サウナでの出来事は、「日本人差別」ではなかったかも知れない…
(→そういう認識が少しでもあったなら、なんでそんな断定的に書いてん!…と、ここはツッコむコトですね)

…というもんでして、そんなに前のことをなんで「今頃」つぶやいたのか?…と言うと、それは

「(最近)韓国が日本人観光客の激減に危機を感じて日本で誘致イベントをしたという
 読売新聞のニュースを見たから」

…だそうでして、この人が言うには韓国が日本人客を本気で誘致しようと思えば

「受け入れる側の韓国の国内でこそどうやって減少した日本人客を取り戻すかと
 イベントをやったほうがいい」

…ということでしたわ


で、ここまでの経過を読むと、この人が「どんな意図で」

10年以上も前に韓国で受けた「日本人差別」とやらを、今、tweetしたのか…は

もう一目瞭然やと思いますけど、それはこの人自身がこの「説明」の最後にあっさり白状してますわ↓
ネット上では今回、韓国人に対してかなりきつい反応もたくさん寄せられています。中には読むに耐えないほど韓国人に対する偏見もありました。日本人は長年がまんしてきましたが、どこかでプッツリと切れてしまったところもあると思います。心配なのはその反動が日本全体を極端な方向に向かってしまう事です。それと僕の呟きも大人げなかったとも反省しています。

ぼくね、この人の一連のtweetは、

「韓国人に対する偏見を拡散増幅する」意図があったと感じてるんですけど

その甲斐あって、「読むに耐えないほど韓国人に対するかなりきつい反応」が集まった…のに、

自分は、そういう「日本全体を(が)極端な方向に向かってしまう事」を心配している…と

まったく逆のことを言うてはるんですね


それに、日本人がそういう方向に向いてしまうのも、

日本人は長年がまんしてきましたが、どこかでプッツリと切れてしまった」から…と

その原因が韓国側にあると訴えてて、ここまで来ると、これはもう「確信犯」…ということになりますわね


さらに、自分のtweetに関しては「大人げない」と一言であっさりお終いにしてるんですけど

これは大人げあるとか、ないとか、そういう話と違うんです


今ね、日本政府と中国政府や韓国政府と関係がうまくいってないのは、皆知ってるところですけど

こういうなかで、あえてこういう話を持ち出す意図…

それは、韓国との関係改善を願う趣旨ではなく、もっと韓国と関係が悪くなったらいい…という

「悪材料の提供」であるのも、これまたミエミエの話であると思うんです

そして、そういう自身の韓国に対する「敵意」をカモフラージュするために

「相手側(=韓国)が悪いからこうなったのだ」…という、ウルトラCを繰り出してきてる…というわけですわ


ぼくね、こういう「憎悪の拡散」をするヤツがホンマに許せんわけでして

そういう「美しくない生き方」を選択しはったこの人には、

「富士山よりも先に、自分の心の中をきれいにしようね…」と、言ってあげたいですわ。。。




ところで、ぼくはこの人について、これまでまったく無関心やったんですけど

この人は、以前から「そういう人」やったみたいで、例えば、産経にこういう記事が出てましたわ↓

【野口健の直球&曲球】
大騒音とゴミ デモのスタイル考え直した方がいい

(産経:2013.12.26)

 自民党の石破茂幹事長の「絶叫デモは、その本質においてはテロと変わらない」という発言が問題視された。確かに表現としては不適切であったかもしれないが、氏の言わんとしていることも理解できる。
 私の事務所は自民党本部のすぐ近くにあり、年がら年中とても騒々しい。時には街宣車から実に暴力的な言葉が、しかも絶叫とともに響いてくる。一日中、聞かされていたら精神的に参ってしまう。新大久保あたりで繰り返されたヘイトスピーチもいくら表現の自由といっても不快極まる。負のオーラでしかない。
 原発事故後、官邸前で繰り広げられた脱原発デモもすさまじかった。時に太鼓のようなものをたたきながら「反対!反対!」と絶叫を繰り返すのだが、あの「トントコトン、トントン、反対!」の音がしばらく耳から離れなかった。そして彼らが去った後に残されたゴミの多さにも辟易(へきえき)させられた。
 原発の再稼働で揺れたある田舎町にも全国各地から多くのデモ隊が集まった。メディアはそのデモの様子をクローズアップし「国民の声です」と伝えていたが、地元の町民の声にどこまで耳を傾けただろうか。デモ隊の人たちが地元町民に向かって「原発再稼働を支持するお前らは間違えている!」と怒鳴ってみたり、夜遅くなっても公園などで大騒ぎをしていたり。

 デモ隊ばかりが注目されたが、「私たちの静かな生活を返してください」との地元住民の声も、やはり国民の声なのだ。
 もちろんデモ活動自体が否定されるものではない。しかし、訴え方にもマナーは必要ではないか。自身の考え方を一方的にまくし立て、他の考え方に攻撃的になってしまっては、一部の人たちに共感されても、多くの人々には共感されないだろう。仮に「共感」よりも「不快感」の方が大きければ戦略としてはむしろ失敗だ。
 自分たちの主義主張を多くの人々に伝え、共感の輪を広げることによって社会を変えていこうとするのならば、スタイルをもう少し考え直した方がいいのではないか。

この人ね、秘密保護法反対でもとヘイトスピーチを一緒くたにして、「負のオーラ」って言うてるんですけど

これだけ見ても、この人が「ミソとクソの区別のつかない人」であることは、わかると思います…

(ちなみに、この人が敵視してるのは韓国だけではなかった…ということですわ)


では最後にもう一つ、この人のトンデモtweetを紹介しときましょう…
この人、幸福実現等の「政策」とやらに、

共感できる部分が多いと言ってのける、「そういう人」やった…というだけのことでしたね…

第33回…『なんでやねん短縮ニュース』

気になる日々の出来事をサラッとなぞる『なんでやねん短縮ニュース』

それではさっそく、レッツ・ゴー!



平均16円の最低賃金の引き上げで、最低賃金一ヶ月の収入が生活保護費をやっと上回る…

この引き上げで生活保護との逆転が解消した…っていうことやねんけど

これって要するに、最低賃金が生活保護費に引っ張られて上がった…ということやん

とすると、生活保護費が下げられると、安心して最低賃金も低いままに抑えられる…ということになるやん

とすると、(最低)賃金を上げたいと思ったら、生活保護費を下げることに賛成してたらアカン…

ってことになるので、そこんトコよろしく…

(生活保護費をもっと下げろ!…と叫んでる、そこのアナタ、
  そんなこと言うてるから、アンタの給料も上がらへんねんで…)


日本とフランスの防衛相が会談、防衛装備品共同開発加速化で合意…

ちなみに、「防衛装備品の共同開発」という言い方は、ぼくが勝手に考えたんやのうて

日本のメディアが政府の言うままに使ってる言葉やねんけど、これって「武器」のことやねん

(それやったら、「武器の共同開発で合意」って書いたらええやんけ!)


日本のメディアはなんでこういう、麗しい「言い換え」をすんのかな…

(そらやっぱり、安倍ちゃんの「会食接待」の結果…ということか?)


ところで、フランスとかアメリカとか、外国に武器を売りまくってる国と

「武器の共同開発(≒共同生産)」をするってことになると

それは必然的に「(共同開発した)武器の共同輸出」をするってことになんねんな

(こういうことがしたくて、武器輸出三原則を骨抜きにしたのね…)


そんでもな、武器輸出って、いったん手を出したら、もう抜け出されへんで

(そら、濡れ手に粟のボロ儲けができるから、商売人にとったら麻薬みたいなもんやしな…)

…と、こんなん、「危険ドラッグ」どころの話やないっちゅうねん!


新規制基準での再稼働第一号となりそうな鹿児島の川内原発の地元で、ヨウ素剤の配布始まる

安定ヨウ素剤の配布対象は川内原発から半径5キロ圏内ってことになってんねん

そんでも、福島第一原発事故のことを考えたら、安定ヨウ素剤を飲んどいたらよかった人は

フクイチから半径5キロ以内で収まってたんかね?

(…って、そんなワケないやん!)


日本の書籍の英訳を国費で支援して日本の魅力発信…(その動機は対外広報で中韓に対抗やて)

俺な、日本の書籍の英訳を国費で支援して、日本のことを海外の人に知ってもらうことそれ自体には、

何もイチャモンつけるつもりはないねん

そんでも、それがなんで「中国韓国に対抗して」っていう動機から始まんねん!

…ということだけは、強烈にツッコましてもらうで…


東北大、学生寮での禁酒の約束違反を理由に、全寮生に退去命じる

大学構内の教室でもなく、学生が生活をする場である「寮」で

法律で飲酒ができる年齢の学生が飲酒することを大学が禁止できる根拠って

いったい何なんやろか… (って、そんな根拠あるわけないやん!)

(う~ん、こういうことに対して、東北大学法学部の教授や学生たちは
 何の異議もとなえへんのかな…)


安倍ちゃん、朝鮮半島有事における在日米軍基地からの海兵隊出動に際しては
日本政府の了解が必要とのたまう…

安倍ちゃん、これについて

「米海兵隊は日本から出て行くわけで、当然、事前協議の対象になる。日本が了解しなければ、
 韓国に救援に駆け付けることはできない」(7.15衆院予算委員会)

って言うねんけど、思えば、アメリカ軍が在日米軍基地からベトナム戦争に出動するときも

湾岸戦争に出動するときも、「事前協議」なんかなかったやん

(→そやから当然、朝鮮半島有事の際にもそんなもんはない…)


それやのに、わざわざこういうことを言うのは、

誰(どの国)に嫌がらせしてるのか…と言うたら、それもうミエミエですわね…


ちなみに、韓国の朝鮮日報は、韓国政府の高官が

「韓半島有事に重要な役割を果たす在日米軍を使って
韓国を『脅迫』しようとしているのではないかと疑いたくなる」(2014.7.17)

…と話したって書いてるで…


関西の介護会社、「私が死んでも会社の責任は問いません」との誓約書を
フィリピン人の女性職員に書かせる…

これね、その介護会社で働く全従業員にこういう誓約書を書かせた…という話ではなくてね

フィリピン人の職員にだけ書かせた…という、典型的「外国人差別」…というか、「アジア人差別」なのよ

(ちなみに、このような誓約書は「公序良俗に反し」無効です…)


このけしからん話がもれて、この会社は「私が死んでも…」の部分がない

「新しい免責誓約書」を書かせることにしたそうやねんけど

何がアカンのか…が、まったく理解できてないみたいやね、この会社…

(そやかて、会社が従業員に「免責」の誓約を求めることそれ自体がやったらアカンことやろ…)